「命の水を汚さないで」町民らハンセン前抗議 金武町の水道水からPFAS検出 


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「私たちはこの水で生活しています」などと書かれたプラカードを掲げ、通行する車両や米兵に手を振り、汚染防止を訴える参加者ら=2日夕、金武町の米軍キャンプ・ハンセンゲート前

 【金武】沖縄県金武町の河川や水道水から発がん性が指摘される有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)のPFOS(ピーフォス)やPFOA(ピーフォア)が検出された問題で、金武町民ら有志14人が2日、同町の米軍キャンプ・ハンセンゲート前で抗議した。

 同町では河川や地下水、地下水を取水している水道水から国の暫定指針値(PFOS・PFOAの合計が1リットル当たり50ナノグラム)を超える値が検出された。町は河川について「ハンセン内が発生源」としているが、地下水と水道水の発生源は特定に至っていない。

 金武町内や名護市、うるま市などから集まった参加者は、英語で「命の水を汚さないで」などと書いたプラカードを掲げ、行き交う車両や米兵に手を振った。

 長女(12)と長男(10)を連れて参加した島袋彩花さん(37)は水道水から指針値の1・4倍の70ナノグラムが検出された金武区で暮らす。島袋さんは「水道水は飲まないよう子どもたちに伝えた。薄めて指針値以下にしていても、体内に少しずつ蓄積するのが怖い。生活の中で水道水は使わざるを得ない。本当に大丈夫か」と不安をにじませた。そして「町や県、国は発生源を特定し、対策してほしい」と求めた。

 SNSで参加を呼び掛けた読谷村議の城間真弓さん(43)は「暮らしと基地が密接だと声を上げづらいが、命の水の問題は別だ。子どもたちのために行動してほしい」と語った。