ビーチに笑顔、商店街まだシャッター「出口戦略は自分たちで」…宣言解除し初週末


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 4カ月超の新型コロナウイルス緊急事態宣言が明けてから、初めての週末が2日訪れた。行楽地は徐々に人出が戻りつつあるが、沖縄県独自の行動制限が続いているためか、コロナ前ほどのにぎわいはない。自粛ムードは継続中だ。

雲一つない晴天の下、ビーチで日焼けや海遊びを楽しむ観光客や地元客ら=2日午後4時ごろ、宜野湾市真志喜のトロピカルビーチ

 宜野湾市のトロピカルビーチでは地元の学生や親子連れ、観光客らが海水浴を楽しんでいた。市内の男性(37)は5歳と3歳の子どもにせがまれ、久しぶりに海を訪れた。「コロナの間は我慢していた。子どもたちは海に来る前からテンションが高く、喜んでいた」と目を細めた。

 同ビーチはバーベキューの設備もあり、ビーチパーティーの人気スポットとして知られる。しかし、気温30度、雲一つない晴天という絶好のビーチパーティー日和にもかかわらず、予約はゼロ。管理棟の男性は「人数も時間も制限されているからかな。まだ自粛ムードですね」とつぶやいた。

 沖縄の玄関口、那覇空港はスーツケースを引く家族連れの観光客や帰省の県民が多く見られた。家族3人で訪れた東京在住の男性は(54)は「離島は避けて那覇の町を散策し、地元のスーパーで夕食の材料を買おうかな」と笑顔だ。来県は10カ月ぶりという。

 明治大学3年の知念香歩さん(20)は宣言解除を待って帰省した。「少しでも不安を無くしたいから」と那覇空港でPCR検査を受けた。帰省中は久しぶりに家族と過ごし、大学の授業はオンラインで受ける。「気が緩んでまた感染者が増えないか不安ですね」と話した。

人通りが少なく、端まで見渡せる平和通り=2日午後2時半ごろ、那覇市牧志

 国際通りの観光客はまばらで、平和通りなど周辺のマチヤグヮーはさらに人が少ない。平和通りにある帽子店の女性は「本来なら通りの端っこは人混みで見えないはずなのに、今日も見えるさ」と、周囲を見渡しながら気丈に笑顔を見せた。「観光客は少し増えた気がするけれど、まだまだだねー」

 土産品や日用品を扱う物販店は、休業や時短への協力金があった飲食店と比べ、経済支援策は薄かった。宣言解除までもたずに撤退した店舗のシャッターが並び、長過ぎた自粛の影響を物語る。

 那覇市中心商店街連合会副会長の粟国智光さん(46)は「集客しようにも、まだ感染不安があるのでイベントは尚早だ。国も県も市も頼りなかったので、出口戦略は自分たちで見つけないと」と話した。