FC琉球、価値あるドロー 連敗4でストップ 「最後の精度」攻撃に課題


社会
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 サッカー明治安田J2第32節第1日の2日、FC琉球は沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアムでファジアーノ岡山FCと対戦し、1―1で引き分けて連敗を4で止めた。15勝10敗7分けで勝ち点52、順位は7位となった。観客は約1800人。

 後半に先制されたが、富所悠がPKを決めて追いついた。

 岡山はFW上門知樹(与勝高出)、MF徳元悠平(那覇西高―城西国際大出)がスタメン出場した。

 次戦は9日、山梨県のJITリサイクルインクスタジアムでヴァンフォーレ甲府と対戦する。
 

(2)タピスタ(岡山1勝1分け)
琉球 15勝7分け10敗(52)
 1―1(0―0,1―1)
岡山 9勝11分け12敗(38)
▽得点者 【琉】 富所(PK)(2)【岡】 デューク(2)
▽観客 1815人

 【評】両チームとも、ゴールに迫るプレーを展開したが前半は0―0で折り返した。琉球は激しいプレスでボールを奪いに行く姿勢を鮮明にした。後半はカウンターから守備を崩され、先制された。PKで同点に追いつき、岡山の猛攻をしのいで引き分けた。


遠い得点 精度に課題
 

FC琉球―ファジアーノ岡山 後半、落ち着いて同点PKを決める琉球の富所悠=2日、沖縄市のタピック県総ひやごんスタジアム(又吉康秀撮影)

 4連敗のトンネルを脱する価値あるドローとなった。チームの危機を救ったのは10番を背負う富所悠。後半43分、きっちりPKを決めて起死回生となる結果を得た。阿部拓馬が蹴ることが多いが、交代でピッチに不在で「自信あったんで蹴らしてもらった」と胸を張った。PKは福井諒司からのロングパスを受けた金井貢史が倒されて得た貴重なチャンスだった。

 決定的場面では、GK猪瀬康介がファインセーブを見せ、1800人超の観客からひときわ大きな歓声が上がった。

 琉球らしいパス回しや前半の積極的なプレスでボールを奪う場面など、内容的には悪くなかった。ただ、最後の精度の部分で得点が遠かった。

 上里一将主将が前後半に放ったミドルシュートはいずれもゴールをかすめ、あと一歩だった。4連敗中のチームの雰囲気に「結果がひどくなるにつれて、不満を言う選手も多くなる。前向きな声掛けをしていた」と主将として内面の部分でチームを引っ張っていた。「正直勝ちたかった。サポーターが見ているなかで、結果で示さないといけなかった」と厳しい表情を崩さなかった。

 (大城三太)


「地元で試合、喜び」 岡山の上門と徳元
 

後半、攻め込んできた琉球の武田英寿(中央)に体を寄せる岡山の上門知樹(左)と徳元悠平(右)(又吉康秀撮影)

 岡山のFW上門知樹は前半は左、後半は右ポジションで出場。ゴール前のクロスに駆け込んでシュートを放ったり、切り返しのフェイントを織り交ぜたドリブルでゴールに切り込んだり、鋭い動きで持ち味を発揮した。接触プレーでは当たり負けしないフィジカルの強さを見せた。「地元でプレーできる喜びと、勝ちたいという思いでプレーした。決定力が足りなかった」とさらなる成長を誓った。

 MF徳元悠平は得意の左クロスを再三ゴール前に蹴り込み、得点チャンスをつくった。上門とのコンビパスもさえ、琉球ゴールに何度も襲いかかった。


引き分けは妥当

 樋口靖洋監督(琉球)の話 いい攻撃と守備も互いに見せ合った。引き分けは妥当と考えている。連敗の流れを止めたことは次につながる。攻守の切り替えの速さは良くなっている。複数得点を取るためにクロスの本数、精度を上げていく必要がある。

崩しの部分足りない

 有馬賢二監督(岡山)の話 崩しの部分はまだ足りないが、ボールを奪ってのカウンターで1点取ってくれた。上位の琉球相手にこういう試合ができて胸を張れる。ゴール前に入っていく回数は多くあり、追加点を取れればもっとゲームをコントロールできた。