集中モードで通知を管理 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[229]


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Apple社は9月21日、iPhone用の新しいOS「iOS 15」の配信を開始しました。iOS15にアップデートすることで、新機能「集中モード」が使えるようになります。

集中モードとは、アプリからの通知(お知らせ)【※1】を制限し、スマホの「鳴る回数」を抑えて勉強など自分の時間に集中しやすくする機能です。すでに、一部のAndroidスマートフォンでは似たような機能が使えます。

 

※1 アプリからの通知 … 「メッセージが届きました」「お得なキャンペーンがスタートします」など、スマホアプリからのお知らせのことを通知と呼びます。あわせて、アプリアイコンに表示される赤い数字を通知バッジと呼びます。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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こうした機能が登場した背景には「スマホ依存」が世界的に問題視されているからです。スマホから1日に何度も通知が来ることで、私たちはスマホを確認しアプリを開きます。

アプリ製作者はなぜ何度も通知を送るのか。簡単に言えば私たちがアプリを使えば使うほど製作者がもうかる【※2】ようにできているからです。

こうした構造を「アテンション・エコノミー(関心経済)」と呼びます。私たちの集中力と時間を奪い、お金に変えているのです。

 

※2 アプリを使えば使うほど製作者がもうかる … スマートフォンアプリやゲーム、Webサービス、SNSの多くは、ユーザーの支払いは無料で、広告企業からのお金が収入になっています。ここまではテレビ、ラジオと同じ構造なのですが、スマホの場合、私たち一人一人に興味のあるコンテンツ・広告を分析し連続して表示することが可能なので、つい見入ってしまい利用時間がどんどん伸びていきます。

 

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「スマホの利用は○時間までと決めているのに守れない…」と悩んでいる人も多いと思いますが、それも当然の話で、巨大IT企業がお金と技術とデータを注ぎ込んでアテンション・エコノミーをつくり上げているからなのです。

iPhoneで新たに追加された「集中モード」を意識して使うことで、少しはスマホ利用時間を守りやすくなれるかもしれませんね。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

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