「自分ごととして考えよう」 宮古島の中学生がSDGsを学ぶ


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阿部さんのアドバイスを受けながらSDGsに関連する記事を検索する生徒ら=9月28日、宮古島市城辺の城東中学校

 【宮古島】宮古島市城辺の城東中学校は9月28日、SDGs理念の理解促進を図るワークショップが開かれた。SDGs未来ラボ代表の阿部昭彦さんが講師を務め、1年生34人が「誰一人取り残さない社会の実現」というSDGsの根本の理念を学んだ。

 取り組みは環境破壊や貧困といった地球規模の課題を考える「持続可能な開発のための教育」(ESD教育)の一環で開いた。

 阿部さんは、国内の子どもの貧困率が7人に1人に上ることや、水道水を安心して飲める国は世界に15カ国だけなどの事例を交え、「誰かが良くしてくれるではなく、自分ごととして考えよう」と生徒に語り掛けた。

 SDGsは「誰も取り残さない社会の実現」こそが最も重要な理念だとして、17の目標はこの理念実現のための「クリアしないといけない条件」とした。「目標をばらばらに考えるのではなく、経済も社会も環境もすべて良くしていこうという考えだ」と解説した。

 また、食料品など多くの製品に使われているパーム油を紹介し、油を採るためのパームヤシ植栽でジャングルが大規模に伐採されている現状も伝えた。

 グループワークでは、SDGsの目標14の「海の豊かさを守ろう」をテーマに生徒らがパソコンを使って、関連する新聞記事を検索して発表した。

 生徒を代表して下地緯千加(いちか)さんは、学んだ点として、日本の社会水準の生活には地球2・8個分の資源が必要との現状を挙げ「驚いた。今日学んだことを生かして、資源を大切にしたい」と話した。