真価問われる、新内閣の聞く力 離島振興「永続的に」 県内から基地、コロナに注文も


社会
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 岸田文雄首相の誕生と同時に沖縄関係閣僚の顔触れも固まった。「島中が喜んでいる」「基地のない沖縄を」―。沖縄担当相に西銘恒三郎さんが就任し、沖縄政策に多くの注文が付くなど県民の期待は高まっている。一方、基地問題を担う防衛相、外相の留任に落胆する声もあった。

 西銘さんの本籍地は南城市知念久高島。外間長裕久高区長(71)は「島中が喜んでいる」と笑顔で語った。「(父の)順治さんは久高島に強い思い入れがあった。恒三郎さんにも大いに期待したい」と話す。岸田新内閣について「歴代内閣の離島政策は一過性の事業が目立つ印象だ。県や市町村と連携し、過疎化を防ぐ永続的な政策を打ち出してほしい」と注文した。

 名護市辺野古の新基地建設に反対する仲本興真さん(73)=名護市=は「新政権では基地建設がストップするとは思わない」と声を落とした。「孫の4歳の誕生日を祝ったばかり。子どもたちに基地のない沖縄を残すために、声を上げ続け、基地建設反対の声を広げていきたい」と力を込めた。

 パレットくもじ前でバスを待っていた友利秀樹さん(46)=会社員、与那原町=は西銘さんの入閣に「沖縄のことを国政の場でしっかりアピールしてほしい。経済や生活環境が豊かになることを願う」と期待した。新政権に対しては「知人の飲食店が新型コロナの影響を受けている。支援制度などを構築して補償してほしい」と話した。

 嘉手納町役場を訪れた町在住の70代女性は「掲げた公約を実現できるようにしてほしい。国民一人一人を大切にできる政治が行われるといい」と話す。コロナ対策については「大学生の孫が大学に行けず、オンライン授業をしていて胸が痛かった。職を失った方や自宅療養者の支援など、新政権にはしっかりとした対応をしてほしい」と注文した。