「米軍の性暴力調査を」フィッシャーさんが岸田首相に手紙


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岸田新内閣発足を受け、日米地位協定の改定を求める要請文を外務省の担当者に手渡すキャサリン・ジェーン・フィッシャーさん(左)=5日、東京都の外務省

 【東京】2002年に米兵による性暴力被害に遭ったオーストラリア人のキャサリン・ジェーン・フィッシャーさんは5日、外務省を訪ね、日米地位協定16条の改定を求める首相宛の手紙と要請書を手渡した。防衛省職員も同席した。フィッシャーさんは、性暴力の加害米兵が日本での裁判中や公判前に帰国するケースがあるとし、徹底的に調査するよう強く訴えた。要請は4日に岸田新内閣が発足したことを受けて行われた。

 これに対して外務省日米地位協定室の担当者は「要請文は外務省から首相官邸に届け、ジェーンさんの声を必ず届ける。このようなことがないように政府として努めたい」と述べた。

 要請でフィッシャーさんは、1955年に起きた由美子ちゃん事件を起こした米陸軍のアイザック・J・ハート軍曹が釈放されていたことや、性暴力の被害者が証拠が足りないなどとして裁判に持ち込むことができない実情を説明した。

 要請後、フィッシャーさんは報道陣に日米地位協定の改定を求める世界的な署名活動を展開することを報告した。