日程決まった衆院選、沖縄1~4区の対決構図 なお流動要素も


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 4日就任した岸田文雄首相は14日に衆院を解散する意向を表明し、19日公示、31日投開票で総選挙を実施する日程を示した。県内衆院4選挙区は5日までに計10人が立候補を予定しており、陣営は一気に選挙モードに突入した。前回2017年の衆院選は、政権与党の自民の候補者が勝利したのは沖縄4区の1議席にとどまり、辺野古新基地建設反対でまとまる「オール沖縄」陣営が1~3区で勝利した。新政権発足直後の衆院選に向け、各選挙区の顔ぶれと対決構図を紹介する。

<1区>

 那覇市を中心とする1区は、オール沖縄が支援する共産の赤嶺政賢氏(73)と、自民の国場幸之助氏(48)、保守系無所属の下地幹郎氏(60)の現職3人が出馬の意向を表明している。4年前と同様の構図で、保守分裂の三つどもえという観測が強まる。

 前回は国場氏と下地氏が比例で復活当選した。維新を離れて無所属となった下地氏は、自民への復党を目指すが自民党県連の反対姿勢は強い。ただ、保守一本化に向けた調整を求める声もあり、対決構図はいまだ流動的な側面もある。

<2区>

 浦添市、宜野湾市と中頭郡を選挙区とする2区は、前回まで6期連続当選してきたオール沖縄勢の照屋寛徳氏(社民)が勇退を決めた。

 今回は、自民比例現職の宮崎政久氏(56)が選挙区での当選を目指すのに対し、オール沖縄は照屋氏の後継として前北中城村長で社民新人の新垣邦男氏(65)を支援する。「NHKと裁判してる党弁護士法72条違反で」公認で、心理カウンセラーの中村幸也氏(41)も出馬の意向を示す。

<3区>

 沖縄市やうるま市、名護市を票田とする3区は、立民現職の屋良朝博氏(59)に、元沖縄担当相で自民の島尻安伊子氏(56)が挑むという、19年4月の補欠選挙と同じ候補者による一騎打ちが見込まれる。

 19年補選は、県知事選出馬に伴い衆院議員を辞職した玉城デニー氏の後継として出馬した屋良氏が初当選した。オール沖縄を率いる玉城知事が地盤とする選挙区であり、選挙結果は来年の名護市長選や県知事選にも影響を与えそうだ。

<4区>

 本島南部地域と八重山、宮古地域で構成する4区は、岸田新政権で沖縄担当相に就いた自民現職の西銘恒三郎氏(67)が6期目を目指すのに対し、元那覇市議会議長で立民新人の金城徹氏(68)がオール沖縄の議席奪還を目指す。