【うるま】久貝英世さん(72)と平川昭子さん(66)のきょうだいは、うるま市の天願川の両岸を桜並木にしようと十数年前から植樹活動を続けている。これまでに400本の苗木を植え、現在も週5日通い、剪定(せんてい)作業や周囲の草刈りに汗を流す。10年後には、枝葉を広げた桜が両岸をピンク色で彩り、華やかな風景になることを想像して丹精を込める。「楽しんでもらえるとうれしいね」とほほ笑み合った。
うるま市内に住む平川さんが散歩中に、天願川下流域のヌーリ川水面に映る桜を見たことがきっかけだった。「とてもきれいだったので、そんな風景が広がればいいなと思った」と振り返る。那覇市に住む久貝さんと「うるま市ヌーリ川桜会」を立ち上げ、助成金や寄付で川沿いの1・5キロに600本の桜を植えた。開花に合わせ、毎年「桜並木めぐり」を開催している。
その後、天願川でも同様に植樹を始めた。「最初は土手があるのか分からないぐらい草がぼうぼうだったよ」と久貝さん。行政の協力も得て、現在では遊歩道として散歩もできるまでになった。
「ヌーリ川と合わせ千本の桜を」が目標だったが、既に達成。「気がつけば、千本になっていたから、今からもどんどん増えるはず」と笑う。
来年には天願川でも「桜並木めぐり」を計画している。川沿いからの景色だけではなく、近くの野鳥の森公園からの眺めもお勧めだという。「体力の限界までは植樹を続けて、たくさんの人に愛でてもらえる景色にしたい」と久高さんが語ると、平川さんもうれしそうにうなずいた。
(新垣若菜)