【ワクチン・検査証明の活用例】飲食店や旅行でサービス 県が策定、対象は12歳以上を想定


この記事を書いた人 Avatar photo 上里 あやめ

 沖縄県が7日に公表したワクチン接種・検査陰性証明の活用に関するガイドライン(指針)は、特典付与について統一的な見解を望む経済界からの要望を受けて策定した。接種・陰性証明の活用は任意ながらも、飲食やイベント、都道府県や離島をまたぐ移動・旅行ごとに活用例を例示した。事業者が接種証明を確認する手段については、国のデジタル化が進むまでは紙の接種券を活用する。

 証明提示の適用対象は、ワクチン接種対象である12歳以上とすることを想定している。

 証明提示で得られるインセンティブとして、酒類を提供する飲食店が料金を割引したり、食事や飲み物の一部をサービスしたりすることを挙げた。イベントの場合は入場時に証明書を提示してもらい、割引や専用レーンでの入場を認める特典付与の例を示した。

 都道府県や離島をまたぐ移動は、割引のほか、専用のパッケージツアーなどを設ける方法も示した。

 宿泊施設などでの活用方法については「検討中」とし、今後、国の運用指針が固まるまでの間に検討することとした。

 一方、ワクチン接種の有無による「不当な差別」の具体例として、(1)接種証明を提示しない人への法外な料金請求(2)就職や入学の要件にすること(3)非接種を理由にした解雇・退職勧奨―を挙げた。差別的な対応をする事業者に対しては担当者が事情を聴取する。

 公平・平等を前提とする公共的なサービスについても、証明提示の有無で取り扱いを区別することに「より一層の慎重さが求められる」とした。

 ワクチン接種証明の提示方法は、本人確認証と併せて紙で接種済証を提示するか、ワクチン接種記録システム(VRS)と連動したアプリを使う方法を紹介。海外渡航に際して市町村が発行するワクチン接種証明書を民間で活用することは、推奨していない。

 陰性証明は、72時間以内のPCR検査による陰性証明書や電子メールの氏名付き検査結果を確認することが望ましいと説明した。

 抗原定性検査は、ワクチン接種証明やPCR検査による陰性証明が導入できない場合に限って補助的に採用することが想定されるが、具体的な運用方法は検討が必要だと指摘した。