購入品を自宅にお届け イオンが那覇・南風原で実証実験 高齢者の見守りにも


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「ハート・ラボ」スタッフからマックスバリュ一日橋店で購入した商品を受け取る兼元春子さん(右)=7日、那覇市真地

 高齢者ら地域住民の買い物を支援するため、イオン琉球(大野惠司社長)は1日から、南風原町のマックスバリュ一日橋店で購入した商品を自宅に届けるサービスの実証実験を始めている。11月末まで。同店から1~2キロ圏内に住む那覇市、南風原町の住民が対象で就労継続支援B型事業所「ハート・ラボ」が配送を担う。

 商品を購入後にサービスカウンターに申請して預ける。ハート・ラボが商品を回収し、購入者に事前連絡して自宅まで配送する。配送料金は税込みで300円。衛生面から、生鮮食品や総菜の配送はできない。

 マックスバリュ一日橋店は前身のプリマートを含めると開店42年を迎える。イオン琉球によると、周辺に住む高齢者らの利用も多く、重たい荷物を運ぶのが困難だったり、経済的にタクシー利用も頻繁にできなかったりといった課題があるという。

 ネットスーパーの利用は苦手で、店でじかに選んで購入したいという要望もあることから、イオンとハート・ラボが協同し、サービスを始めることになった。事業所スタッフには看護師もいることから、利用する高齢者の見守りにも期待が持たれている。関係者は「障がい者や妊婦など、高齢者に限らず困っている人は多いと思う」と話し、幅広く利用を呼び掛けている。

 7日、那覇市真地に住む兼元春子さん(88)は店頭でミネラルウオーターのペットボトルなどを購入し、配送サービスを利用した。「重たい荷物を運ぶのは大変だから、とても助かる」と笑顔で話した。ハート・ラボの知念広樹さんは「事業所で働く障がい者にとっても自身の賃金になり、コミュニケーションの向上にもつながっている」と話した。

 問い合わせはハート・ラボ(電話)098(996)1920。