「なはーと」こけら落としで野村萬斎さん稽古 狂言と琉球芸能コラボ「楽しくしたい」


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那覇文化芸術劇場なはーとのこけら落とし公演に向け稽古する野村萬斎さん(中央)と琉球芸能実演家の嘉数道彦さん(左)ら出演者=7日、東京都文京区

 【東京】12月に上演される那覇文化芸術劇場なはーと(新那覇市民会館)のこけら落とし公演、狂言「唐人相撲(とうじんずもう)~なはーと編~」の稽古が7日、都内で行われた。既存の狂言に琉球芸能の要素を取り入れる。人気狂言師の野村萬斎さんや琉球芸能実演家の嘉数道彦さんら出演者が参加した。

 「唐人相撲」は、架空の「唐」の皇帝が日本の相撲取りに相撲を見せてほしいと頼み、ついには自ら勝負を挑むという粗筋。稽古では、萬斎さんが演じる相撲取りを女官らが取り合うというオリジナルのシーンを、萬斎さんや嘉数さんらがアイデアを出しながら、動きなどを一つ一つ作り上げていた。

 稽古後、萬斎さんは「(唐人相撲は)勝負のシーンが多いが、琉球芸能の非常にリズミカルな陽気的要素みたいなものを取り入れて、なるべく楽しくしていきたい」と語った。狂言と琉球芸能のコラボについて「琉球舞踊にもない、狂言にもない新しい発想で楽しいシーンができるのがコラボの成果だ」と強調した。

 上演される「唐人相撲」には人間国宝の野村万作さんも出演するほか、沖縄側からは琉球芸能実演家や那覇市民も出演する。