那覇と浦添ふ頭地区結ぶ臨港道路整備へ 検討委、港湾計画の全体案を初提示


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 那覇港管理組合は7日、20~30年後を見据えた那覇港の在り方を検討する那覇港長期構想検討委員会の第5回会合を那覇市内のホテルで開いた。これまで空白になっていた浦添ふ頭地区の施設配置が確定したことで、那覇港湾空間利用計画(ゾーニング)案の全体像を初めて示した。同委員会は2016年3月以来の開催となった。今年3月に那覇軍港の移設先である浦添ふ頭地区の民港形状案が固まったことを受け、長期構想策定の議論を再開した。

 ゾーニング案は、物流機能の中心は引き続き新港ふ頭と浦添ふ頭に置き、両ふ頭の一体的利用を促進するため、ふ頭間臨港道路の整備を盛り込んだ。物流機能のうち燃料などの危険物を扱うゾーンは、新港ふ頭の北側に配置する。

 クルーズ船の受け入れに対応する国際交流ゾーンは那覇ふ頭を除く3ふ頭で展開し、浦添ふ頭にはビーチなどの親水レクリエーションゾーンを南北に長く配置する案が示された。

 那覇軍港や牧港補給地区(キャンプ・キンザー)の跡地利用計画が案に含まれていないことに対し、委員から「返還の見通しがついてからでは遅い。跡地利用の可能性を吟味した上で今から計画を練り、長期構想にどう踏み込むかが重要だ」との指摘があった。

 那覇港管理組合はパブリックコメントを踏まえた上で、本年度中に長期構想をとりまとめる方針。