九州共立大の幸地竜弥 強肩と勝負強さが売り<球界への挑戦―10・11ドラフト>6


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「目標にされる選手になりたい」と語る、九州共立大の幸地竜弥(同大硬式野球部提供)

 強肩と打席での勝負強さを売りに、プロへ挑戦を決めた九州共立大の幸地竜弥は「目標とされるような選手を目指したい」とバットを握る手に力を込める。「県外の強豪で勝負してみたい」との思いから、高校は熊本の秀岳館に進学。入学時は遊撃手だったが、肩の強さを買われ2年夏から捕手として技術を磨いた。「肩には自信がある」と才能を生かし、日々精進を重ねる。

 17年春に4強、同年夏は2回戦進出と2度の甲子園を経験した。とりわけ春の選抜大会初戦は、満塁の場面で大会第1号の本塁打を放ち甲子園を沸かせた。「球場の大きさと、観客の熱気と今までで一番の瞬間だった」。

熊本・秀岳館で捕手として春、夏2度の甲子園を経験した幸地竜弥=2017年4月、コザしんきんスタジアム

 卒業後は九州共立大に進学した。捕手として「どう配球を組み立てるか、どのタイミングで声掛けするか。日頃から投手と話して試合で実戦している」と練習に明け暮れた。

 すべてが順風満帆だったわけではない。1、2年は腕や腰などの痛みから練習や試合に参加できず「野球に身が入らなかったり、気持ちが下がったりする時期もあった」。葛藤を抱えながらも、復帰を目指しトレーニングに黙々と汗を流した。そんなとき支えてくれたのが両親だ。「いろいろ相談に乗ってもらい、たくさん支えてもらった」と感謝を口にする。

 3日の福岡六大学野球秋季リーグ最終戦、九州産業大との一戦は、7番・捕手で出場。何度もピンチを背負ったが、継投した4投手の特徴や打者のくせを見極め、守りの要として勝利に貢献した。

 試合後は、ネット中継で観戦してくれた両親から連絡をもらい、自然と感謝の言葉が沸いたという。ドラフト会議まで残り3日。支えてくれた仲間や両親の思いを胸に刻み、名前を呼ばれる瞬間を待ちわびる。

(上江洲真梨子)

(おわり)


 こうち・たつや 1999年5月5日、南城市出身。181センチ、90キロ。右投げ右打ちの捕手。玉城中―熊本・秀岳館高出。20年秋季リーグは最多12打点で打点王や指名打者でベストナイン、特別賞も受賞。