きょう「国際ガールズ・デー」若い女性が夢描ける社会に 「10代ママくらぶ」若年出産に広がる支援


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 10月11日は国連が定めた「国際ガールズ・デー」。若い女性の権利向上や男性と同等に社会参加できる力を身に付けられるよう、国際社会に呼び掛ける日だ。県内では最近、若年で出産した女性を支援する動きが活発化する。集いの場の開催や居場所のない妊産婦の宿泊施設、若年出産のシングルマザーを保護するシェルターを開設する動きもあり、支援の輪が広がっている。

「10代ママくらぶ」の情報を発信するツイッターのアカウント「10代ママ応援隊」

 10代で出産する人の割合は県内は2・2%。全国に比べて約2倍と多い。若年出産者は虐待やDV(ドメスティックバイオレンス)を受けた人が多く、妊娠・出産をきっかけに学ぶ機会を逃したり、就職しにくくなったりと課題を抱えやすいと言われている。

 「一般社団法人ある・私らしいお産を考える会」が運営する、若い母親たちの集いの場「10代ママくらぶ」は4月以降、開催日を増やしている。昨年まで年4回の開催だったが、今年は助成金を活用し月1回、那覇市と浦添市で開いている。運営メンバーは助産師の菊谷愛子さん、キャリアコンサルタントの安里千恵子さん、社会福祉士の棚原喜美枝さんら。子どもの発育相談を受け、パートナーとの関係に悩んでいる人の話に耳を傾ける。今後は安里さんを中心に就労支援も手掛けたいという。

 参加は5人~10人ほど。親子で参加してベビーマッサージを施すほか、運営メンバーに子どもを預かってもらい、母親たちは保育園の申し込み時期や就職活動について情報交換しながら雑談を楽しむ。

 生後8カ月の子どもを育てる女性(17)=豊見城市=は、2カ月前から足を運び、この日は2度目の参加。「周りに子どもを産んだ経験のある人がいなかったので、年の近い人たちと交流できてとても安心した。補助について知る機会もあり助かっている」と語った。那覇市在住の女性(21)は、17歳の時にSNSでママくらぶを知り、それ以降参加している。「保育園の仕組みなども勉強になり、たくさんアドバイスをもらえたのが大きかった」と話した。

 棚原さんは「実家に頼れず家庭的に不利な人もいる。産後はとても大切な時期。私たちが子育ての手伝いをすることで、お母さんたちの中に周りに頼っていいんだ、という気持ちが芽生えたら」と活動の展望を描いた。くらぶの問い合わせはTwitter「10代ママ応援隊」で検索。(電話)080(1703)9738
 (吉田早希、高江洲洋子)