空手形、浦添が男女団体制す 力強さとスピード全面に 県高校新人大会


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 沖縄県高校新人大会は9日、豊見城市の沖縄空手会館で空手道の団体形と個人形、宜野湾高校でアーチェリーが行われた。空手団体形は男女ともに浦添が優勝した。男子は2連覇、女子は10連覇を飾った。男子個人形は東海毅(浦添)、女子は田場琳奈(同)が制し、それぞれ2冠を達成した。アーチェリーは30メートルラウンド男子で新垣泰斗(豊見城南)が558点、同女子は下地百合香(那覇国際)が569点で頂点に立った。


男子団体V浦添 東海、山城、金城 持ち味生かした演武
 

男子団体形を制した浦添の(左から)金城匠杜、東海毅、山城澄心=9日、豊見城市の沖縄空手会館

 浦添の東海毅が圧倒的な存在感を示した。魂のこもった目力と威圧感のある演武で団体では他の2人を引っ張った。個人形で全日本ジュニアの強化選手。「まだ、他の選手に合わせにいく内容になっている。蹴りや体の向き、回るタイミングなど一人一人が全力を出し切れば、チームとしてもっと成長できる」と飽くなき向上心を見せる。

 県高校総体では、形の演武中に右肩を脱臼し、3カ月間の戦線離脱を強いられた。「きつい期間だったが周囲の支えを実感し、鍛え直すことができた」と感謝の気持ちで乗り切った。「県や九州は通過点。関東、関西の激戦区を勝ち上がったチームと戦うにはまだまだ底上げが必要」と全国を見据える。

 団体でチームは第1ラウンドの指定形クルルンファで25・40、決勝の得意形アーナンは24・46を出した。山城澄心は自身の演武を「動きが硬くなっていた」、1年の金城匠杜は「優勝できてほっとしたが、まだまだ足りない部分が多い」と気を引き締め直した。伊禮光国監督は「3人の持ち味は力強さとスピード。しっかり力を出してくれた」と評価した。

 (大城三太)


田場、悔しさ昇華の2冠 「三重国体」中止 思いぶつける
 

女子団体形で優勝した浦添の(左から)渡久地凛、田場琳奈、金城愛心

 浦添の田場琳奈が心の内に秘めた悔しさを形の演武にぶつけた。少年女子形で三重国体への出場が決まっていたが、大会は中止に。その思いを昇華させ、団体、個人ともに頂点に輝いた。

 団体で組んだ金城愛心は「チーム力も上がっていて大会に臨んだ。楽しかった」と自信を得た様子。1年の渡久地凛は「プレッシャーを感じていたけど、持てる力を出し切れた」と安堵(あんど)の表情だった。守岡長寅竹(いえともたか)監督は「一致性を高めながら練習し、本番で力を出し切ってくれた。九州への弾みになる」とたたえた。