阪神5位指名の岡留選手 父と二人三脚、夢かなえた息子へ「鉄人に」


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阪神から5位指名を受け、仲間と共に喜ぶ亜細亜大の岡留英貴選手=11日、東京都武蔵野市の同校

 手に握る汗を何度もぬぐいながら、その瞬間を迎えた。亜細亜大の岡留英貴選手(21)は阪神から5巡目で名前を呼ばれると、目をつぶり大きく深呼吸。厳しい顔つきが一瞬で安堵(あんど)の表情に変わるのが、マスク越しでも分かった。

 会場は野球部のメンバーらの歓声と拍手に包まれた。「おめでとう」と岡留選手の肩をさすった野球部員で同級生の松本連さん(22)は「誰よりも練習を頑張ってきた姿を見てきた。指名されて本当によかった」と自分のことのように喜んだ。

 会議のネット中継を家族で見守った父・邦英さん(56)は「小中はずっと一緒に練習してきた」と二人三脚で歩んできた経緯を振り返る。いつからか「プロになる」が父子の共通の夢に。父の思いも背に夢をかなえるわが子に「もう最高です」。母・郁子さん(57)は「飛び上がるくらいうれしい」と喜んだ。

 邦英さんは「厳しい世界なので心配な部分もあるが、体は強い子なので“鉄人”と呼ばれるくらいの投手になってほしい」と甲子園のマウンドに立つその姿を思い描いていた。