沖縄・北谷で指針値17倍のPFAS検出 嘉手納基地の火災翌日 20年6月


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 米軍嘉手納基地から海につながる北谷町砂辺の排水口付近で昨年6月23日、国の暫定指針値(1リットルにつき50ナノグラム)の17.7倍に当たる有機フッ素化合物(PFAS=ピーファス)が検出されていたことが13日、分かった。PFOS(ピーフォス)とPFOA(ピーフォア)の合計値は888ナノグラムだった。

 嘉手納基地では検出前日の同6月22日、大規模火災が発生しており、消火用水が海につながる水路に流出していた。嘉手納基地の第18航空団は本紙取材に「民間の第三者の研究には言及できない。消火は水を使って実施した」と答えた。基地内に蓄積していたPFOSなどが基地外に流出した可能性もある。

 名桜大の田代豊教授(環境化学)が火災翌日に水や泡を採取し、京都大の原田浩二准教授(環境衛生学)がこのほど分析した。

 今回、PFASの一種で泡消火剤から生成される「6:2FTS」は、1リットル当たり2240ナノグラム検出された。有害性が指摘されているPFHxSは4.76ナノグラム検出された。

 田代氏は「前日の消火活動の影響かは断定できない。降雨で高濃度のPFOS、PFOAが基地から流出している可能性もあり、いずれにしても問題だ」と話した。本紙は9月、在沖米空軍にPFOSを含む泡消火剤の更新状況などを問い合わせたが、13日までに回答はない。

 昨年6月22日の嘉手納基地の火災は危険物取り扱い施設で発生し、有毒な塩素ガスが漏出した。