来春新卒採用予定29% 海邦総研調査 コロナ影響も回復傾向


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 海邦総研(新崎勝彦社長)は14日、県内企業の新規学卒者採用動向に関する調査結果を発表した。回答した400社のうち、2022年4月に新規学卒者の採用を予定する企業は29.0%(116社)だった。21年実施の前回調査より5.9ポイント上昇した。新卒採用の予定がない企業は44.3%(185社)で、前年比で7.1ポイント低下した。

 海邦総研は「企業の採用意欲は徐々に回復しているとみられる」と分析した。

 採用予定企業の割合を業種別にみると、医療・福祉が47.6%と最も高く、前年比27.6ポイント増と大幅に上昇した。情報通信47.4%、建設42.4%と続いた。資本金別や従業員別では、規模が大きくなるほど採用を予定する企業の割合が高くなっている。

 採用を予定する理由は「人手不足のため」が51.7%と最も多かった。ただ、コロナ禍以前の19年調査の70%台から大きく減少した状況となっている。一方、採用予定のない企業の理由として、「人手は足りているため」が43.8%と最多を占めた。コロナ禍以前では10%前後で推移していた「業績が良くないため」は31.9%となっていることから、海邦総研は「来年の新卒採用にもコロナ禍の影響が見込まれる」としている。

 21年4月に新規学卒者を採用した企業は20.3%(85社)で、前年実績から0.7ポイント減とほぼ横ばいだった。業種別では、情報通信が42.1%と最多だった。

 調査は9月2~27日に、県内に本社がある2千社を対象に実施した。うち400社から回答があり、有効回答率は20.2%だった。