「困っている人救済を」「変化の可能性信じる」衆院解散、聞いてほしい沖縄の声


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新型コロナウイルスによる観光産業の低迷で空き店舗が目立つ那覇市の国際通り=14日午後

 平成と令和をまたぎ、4年にわたって国政の重要事項を決めてきた衆院が14日、解散した。この間、消費増税、相次ぐ豪雨災害、新型コロナウイルスのまん延、東京五輪開催など、さまざまな出来事があった。米軍普天間飛行場の移設に伴う名護市辺野古の新基地建設を巡っては、県政と国政の対立は継続している。衆院選を目前に、県民からは「国民の声を聞く政治」の実現を願う声が上がる。

 宮森小米軍ジェット機墜落を語り継ぐ石川・宮森630会事務局長の伊波洋正さん(69)=うるま市=は「国民不在の政治をやめ、国民の声を聞く政治を実行してほしい」と訴えた。「コロナ禍でいろんな人が影響を受け、苦しい状況に追い込まれている。一番困っている層が救済されるような政治を期待する」と求めた。

 新基地建設が進む名護市辺野古。カフェで友人と談笑していた岡野愛さん(34)=名護市=は「政府が主張し続けている『辺野古が唯一の解決策』なのか問いたい」と話した。政治を諦め、絶望している人が多いと感じるが「選挙ですぐに変わることはないかもしれないが、一人一人が変化の可能性を信じ、政治に対し責任を持つことが大切だ」と前を見た。

 南風原町役場を訪れたパチンコ店勤務の伊藤勇気さん(35)=南風原町=は、コロナ対応は「悪くなかった」と評価した。一方、「(ワクチン接種証明を導入する場合は)不特定多数の人が利用する施設では管理も大変だ。人員や費用も新たに生じるので考慮してほしい」と話した。

 「正直、選挙どころではない」と話すのは、石垣市内で飲食店を営む内田忠義さん(42)。新型コロナウイルスの緊急事態宣言が解除されたことで、数カ月ぶりに忙しく働いているが、長期の休業が続き、体が追いつかない。感染拡大の原因を究明し、さらなる休業要請がないよう望んだ。

 宮古島市内のスーパーに買い物に来ていた主婦の上里和美さん(51)は「今のままの政権では良くないと思っていたので、解散して良かったのではないか」と冷静に受け止め、「コロナで苦しむ国民のための政策を、真っ先に取り組むかどうかを見定めて投票したい」と語った。