「新聞は脳の栄養」 新聞投稿を37年続ける78歳の女性 作品319編が本に


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 琉球新報読者になって半世紀がたつ読谷村の儀間ミヨさん(78)は、1984年から生活面の「いこい」欄に投稿を続けている。昨年末には「いこい」や「声」欄、俳壇、歌壇への過去36年分の掲載作品319編をまとめた「さくららんの咲く頃に」(新星出版)を出版した。「新聞は私の脳に栄養を与えてくれる。生きている限り、新聞を読むことと、原点である『いこい』への投稿だけは続けますよ」。ほがらかな笑顔で宣言する。

「いこい」の投稿集を出した儀間ミヨさんと愛犬のマイコ(オス)=読谷村

 投稿を始めたのは、息子2人の子育て真っ盛りだった41歳。「いこい」欄で友人の投稿を見て見習おうと筆を取った。84年12月に初めて投稿が掲載されてからは、庭やアタイグヮー(家庭菜園)で育てる花木に野菜の話題、友人との出掛け先での出来事や電話口でのやりとりを綴り、投稿の常連になった。

 「『口じゃなくて、あなたは筆が軽い』と友人にしかられたこともある」と苦笑いするが、友人たちと過ごす中で得た喜怒哀楽は文章を書く活力だと話す。

 長い投稿歴の中で最も多く書いた内容は愛犬「マイコ」(オス)。4代目の愛犬でことし2歳を迎えたことも投稿で「報告」した。

 投稿集の発刊は、儀間さんの投稿をスクラップしてきた長男の國成さん(49)が出版社に持ち込み、形にしてくれた。「大の親孝行。大切な宝物です」としみじみ語る。

 投稿を通して「声」欄の投稿者との交流も始まった。実際に家を訪ねてくる読者もいる。「縁が広がった。これも新聞のおかげ。ずっと新聞ファンを続けます」と笑顔を見せた。

 (新垣梨沙)