49年ぶり4強の前原 五回猛攻で9点 ベンチの熱気も最高潮 高校野球秋季大会


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KBC未来―前原 五回、走者一掃の適時二塁打を放った前原の眞榮里壮(4)のガッツポーズに呼応するベンチ=16日、コザしんきんスタジアム(又吉康秀撮影)

 高校野球の第71回県秋季大会第8日は16日、コザしんきんスタジアムとタピックスタジアム名護で準々決勝4試合を行った。北山が沖縄尚学との接戦を2―1で制して初、前原がKBC未来に12―5の逆転勝ちで49年ぶり5度目の4強入りを決めた。今春の九州大会で4強入りした興南は、ウェルネス沖縄に12―1の大勝で2年連続25度目、沖縄水産は中部商に8―1の八回コールドで3年ぶり22度目の準決勝進出を決めた。来春の全国選抜大会出場の参考資料となる、第149回九州地区大会(11月6~12日、鹿児島県)出場を懸けた準決勝は17日午前10時からコザしんきんスタジアムで、興南―沖縄水産、前原―北山のカードで行う。


 前原の打線が爆発した。2点を追う五回に6安打の猛攻で一挙9得点し、KBC未来の追い上げを振り切って4強入りを果たした。新里紹舜主将は「1人が打てば、そこからどんどん雰囲気が良くなって上がっていくチーム」と持ち味を発揮しての勝利を喜んだ。

 五回1死一塁で仕掛けたエンドランが反撃ののろしだった。2番佐久本元太の右前打で一走が三塁まで進み、犠飛で1点を返した。続く4番新里の場面でもエンドランを仕掛ける。新里の右中間を抜く当たりに佐久本は一塁から一気に本塁に生還し同点とした。ベンチの熱気は最高潮に達し、さらに3連打で追加点を重ねていった。

 この日、五回までに二つの失策を出していた新里。五回表に記録は安打だったが、小さな飛球を取りこぼして1失点を許していた。その裏の同点打は「うまくいかず悔しかった」と、涙を浮かべて打席に向かっての一振りだった。「足を引っ張っていたからうれしかった」と振り返った。

 六回途中まで2失点と踏ん張った先発の横田琉空は「抑えられて良かった。準決勝は自分が最後まで投げて九州に行く」と勝利を誓った。

 (謝花史哲)