北山が初の4強 闘志全開で夏の雪辱果たす 初出場の山城が立役者 高校野球秋季大会


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北山―沖縄尚学 4回1死一、三塁、左前適時打を放つ北山の山城悟平=16日、タピックスタジアム名護(高辻浩之撮影)

 高校野球の第71回県秋季大会第8日は16日、コザしんきんスタジアムとタピックスタジアム名護で準々決勝4試合を行った。北山が沖縄尚学との接戦を2―1で制して初、前原がKBC未来に12―5の逆転勝ちで49年ぶり5度目の4強入りを決めた。今春の九州大会で4強入りした興南は、ウェルネス沖縄に12―1の大勝で2年連続25度目、沖縄水産は中部商に8―1の八回コールドで3年ぶり22度目の準決勝進出を決めた。来春の全国選抜大会出場の参考資料となる、第149回九州地区大会(11月6~12日、鹿児島県)出場を懸けた準決勝は17日午前10時からコザしんきんスタジアムで、興南―沖縄水産、前原―北山のカードで行う。


 北山が夏の選手権沖縄大会2回戦で完封コールド負けを喫した沖縄尚学に雪辱を果たし、初の4強入りを決めた。試合前から、ナインの闘志は全開。「先輩たちからリベンジを託されていた」(與那嶺光星主将)と球場に駆けつけた3年生を前に、約束を果たした。

 勝利の立役者は今大会初出場の山城悟平。打撃が復調し「期待を込めての初起用」と津山嘉都真監督。三回に先頭打者で出ると、初球からいきなり左超えの二塁打で出塁する。この回、死球押し出しで先制の生還を果たした。

 山城の勢いは止まらない。四回1死一、三塁で適時打を放ち、3打数3安打1打点で指揮官の期待に応えた。「ベンチも喜んでいてうれしかった」。因縁の相手を下しての4強入りに喜びもひとしおだった。投げては、初戦からマウンドに立ち続けるエース知念夢翔が相手打線を抑え、最後まで主導権を渡さなかった。

 初の秋の九州大会出場まで残り1勝。喜びにはやる気持ちを抑え、與那嶺主将は「一つ一つ、自分たちがやってきたことを出し切る」。北山の新たな歴史を切り開く覚悟だ。

 (上江洲真梨子)