オンラインサロンの注意点 モバイルプリンスの知っとくto得トーク[231]


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モバイルプリンス

 

「オンラインサロン」【※1】の人気が高まっています。オンラインサロン(以下、サロン)は月額料金を支払って参加するネット上のコミュニティーです。

多くのサロンは目的やテーマを設定しており、興味ある分野の内容の濃い情報を入手できるというメリットがあります。SNSと比較して規模が小さいことから、憧れの著名人と近い距離でコミュニケーションが取れることも期待できます。

コロナ禍で人とのつながりが薄れ不安を覚える人が、サロンで有益な情報を得て人脈をつくりたくなる気持ちは理解できます。

 

※1 オンラインサロン … 参加するための月額料金は、月額千円ほどのものから高額なサロンになると月額数万円になるものまであります。テーマも、「有名な◯◯さんの、ここでしか聞けない話」というファンクラブのような内容から、「アイドルプロデューサーが教えるアイドルのプロデュース方法」というピンポイントな内容までさまざまです。

 

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有益なサロンがたくさんある一方、国民生活センターは「毎月2万円を払って加入すれば資産形成を学べ、たくさん稼ぐことができる(実際はろくに稼ぐことができない、解約も難しい)」という悪質サロンに注意するよう呼び掛けています。

あやしいもうけ話は古くからあり、ネット上でも何度も方法を変え勧誘が行われています。

今はサロンがあやしいもうけ話の入り口として機能していますが、今後ほかのサービスがブームになったら、そこがあやしいもうけ話の入り口になる可能性もあるので注意深く判断しましょう。

 

イラスト・小谷茶(コタニティー)

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多くのサロンは、サロン内でのやり取りを外に伝えることを禁止しています。有料なので仕方ない部分はあります。

しかし「外部の目が行き届かない」【※2】「サロンの主催者と参加者で上下関係が発生しやすい」などの構造的な理由で、トラブルが発生しても参加者が批判できない、問題点が外に出にくい状況になりやすいです。

こうした点も考慮しましょう。

 

※2 外部の目が行き届かない … 考えの近い人たちが集まり、同じような意見を主張することでどんどん過激になっていくことを「エコーチェンバー現象」と呼びます。サロンは「信頼できる人たちとだけ興味のある情報を共有し合える」というメリットもありますが、バランスが崩れると一気にエコーチェンバー化し、間違い・問題のある情報を共有しても誰も疑わない、あるいは指摘できないという状況になりやすいです。

 

【プロフィル】

 モバイルプリンス / 島袋コウ スマートフォンアドバイザー、フリーライター。沖縄県サイバー防犯PR大使を務め、スマホやインターネットの活動講座を学校などで実施。本連載をまとめた著書「しくじりから学ぶ13歳からのスマホルール」(旬報社)も発売中。

http://smartphoneokoku.net/