大学野球の第106回九州地区選手権南部九州ブロック大会が18日、沖縄セルラースタジアム那覇などで開幕し、初出場の琉球大(沖縄2位)が九州保健福祉大(宮崎1位)に7―0で完勝して準決勝に駒を進めた。名桜大(沖縄1位)は宮崎産業経営大(宮崎2位)に7―10で敗れた。琉球大は19日、決勝進出を懸けて熊本学園大(熊本2位)と対戦する。
「攻めるのが好き」という右横手投げの琉球大先発、田中滉人(2年)。序盤から外角の直球や低めに抑えたシンカーで三振を量産し、スコアボードにゼロを並べた。徐々に球数が増えてくると、今度は「打たせて取るようにした」と球速の遅いスライダーやカーブで凡打の山を築いた。
最終回には右前打と死球で1死一、二塁のピンチを招いたが、難なく併殺で締めくくった。三塁すら踏ませない128球の完封劇。佐賀県の伊万里高出身で、新2年生のときの春の甲子園でベンチ入りを果たした実力派だ。冷静な投球を貫き「ランナーを出しても粘れたことは良かった」と涼しい顔で振り返った。
エースの力投に打線も応えた。指名打者の比嘉教貴(同大2年)は「同じ学年の田中が頑張ってくれてたから、意地を見せたかった」と3安打の固め打ち。追加点の欲しい六回の好機では中堅越えの適時三塁打で2打点を挙げ「1点欲しいところで打ててほっとした」と笑みを浮かべた。
2016年に九州地区大会を南部と北部に分けて開催するようになってから、初めて県代表として南部大会に出場した琉球大。比嘉は「初戦は歴史を背負ってる感じもあって少し固さがあったけど、次戦は冷静な判断でプレーしていきたい」と力を込めた。
(長嶺真輝)