名桜大4年・岡崎 沖縄で鍛えた走り、実業団で生かす 目指すはリレーで日本一


社会
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大学卒業後のさらなる飛躍を誓い、鍛錬に汗を流す岡崎隼弥=7日、名護市営陸上競技場

 陸上男子100メートルで九州、全国を舞台に活躍してきた名桜大4年の岡崎隼弥(22)が、小中学生向けに福岡と佐賀の両県で陸上教室を運営する実業団に入ることが決まった。福岡県岡垣町出身。沖縄で過ごした大学生活の大半は新型コロナウイルス禍に見舞われたが、自己ベストを10秒48まで伸ばし「かなり充実していた」と晴れやかに語る。さらなる成長を見据え、来春から実業団で日本選手権初出場、400メートルリレー日本一を目指す。

 中学で陸上を始め、福岡・中間高に入ると100メートルを専門とし、3年時の自己ベストは10秒70。けがもあって全国総体の出場経験はないが、高校最後の大会となった室内の全国大会では60メートルで4位入賞を果たした。当時から強みはスタートの加速力。より低い前傾姿勢を保ち「階段を駆け降りるイメージ」でピッチを上げる。「30~60メートルでいかに前に出るかに力を入れている」と長所を伸ばしてきた。

 中学、高校の時に家族旅行で訪れた沖縄に「いい所だな」と憧れを抱いていたという。名桜大のトラックやトレーニング室を見て「公立でこれだけの設備があるなら」と気に入り、進学を決意。地元福岡には福岡大や九州共立大など強豪も多いが、高校時代から自分で練習メニューを決めていた岡崎にとって名桜大の施設は十分な環境だった。

 進学後、特に鍛えたのは上半身の筋力だ。「最後まで腕が振れるし、動きがしっかりする」と走りに安定感が増した。スポーツ健康学科で体全体の構造や働きを学び「筋肉の動き方が頭の中でより明確になった」と走りに対する分析力も高めた。2年時には初めて全日本インカレに出場し、100メートルの自己ベストを10秒48まで伸ばした。

 3、4年時はコロナ禍で練習がままならない時期が多く、ベストを縮めることはかなわなかったが、2年時に続けて両年とも全日本インカレに出場。いずれも決勝進出はならなかったが「今後は後半の減速幅を縮めるのがポイント。そのためにスタートの1歩目から改善が必要」と修正点を見詰める。全国の舞台で味わった悔しい経験が、さらなる成長に向けた原動力にもなっているようだ。

 来春からの所属が決まったのは陸上のスクールを運営するアスリートリンク。所属選手には有望なスプリンターが多く、9月の全日本実業団対抗選手権では400メートルリレーで5位入賞を果たした。来春からは親交のある新崎仁也(那覇西高―九州共立大4年)の所属も決まっており、10秒37のベストを持つ新崎とチームメートとなる。岡崎自身も10秒40を切ることを目標に掲げ「新崎も同じチームに行くし、リレーで日本一を狙えるように頑張りたい」と決意を語った。 (長嶺真輝)