高江機動隊派遣の違法判決、愛知県が最高裁に上告


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機動隊員に手足をつかまれ、強制的に移動させられる市民ら=2016年11月、米軍北部訓練場のN1地区ゲート前

 米軍北部訓練場のヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)建設工事を巡り、愛知県警による東村高江周辺への機動隊派遣の違法性を問う住民訴訟で、愛知県側は21日、派遣を決定する際の手続きに違法性があったと認定した名古屋高裁判決を不服として、最高裁に上告した。

 7日の名古屋高裁判決は、派遣決定が当時の県警本部長の専決で処理された点を問題視。「決定は愛知県公安委員会の実質的意思決定に基づいておらず、違法だと言わざるを得ない」と判断した。一方で、ヘリパッド建設工事を巡って大規模な抗議活動が想定されたとし、沖縄が他都道府県警から援助を受けることは合理的だったと指摘した。

 上告した経緯などについて、愛知県は本紙の取材に「この件は県ではなく、県警が対応する」とコメントを避けた。愛知県警の担当者は「質問内容を精査し、回答するかどうかも含めて検討する」と述べた。