<衆院選3区・紙上討論>屋良氏と島尻氏が互いに質問、その回答は?


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 琉球新報社が実施した衆院選沖縄3区の立候補者紙上討論で、立民前職の屋良朝博氏(59)と自民新人の島尻安伊子氏(56)は、新型コロナウイルス対策や憲法改正に対する考え方などについて主張を戦わせた。沖縄振興計画の在り方を巡っては、予算の一括計上からの転換を図る考えや、北部と中南部の格差是正の推進という主張をそれぞれぶつけ合った。 (文中敬称略、’21衆院選取材班)


 

Q 「秘書へ給与上納要求」事実か/屋良氏 1円も受領していない

 ―ニュースサイトAERAdotの記事で、「屋良氏が政策秘書給与の一部を事務所に上納するよう要求した疑い」と書かれているがそれは事実か。

 ―秘書に対し「明日から来なくていい」「1月は働かないのだから秘書給与の一部10万円を(屋良氏側に)戻すように」と発言したか。

 屋良 建設的な政策討論ではないことを残念に思う。沖縄県、そして日本の将来を占う今回の選挙において、目指すべき未来を見据えた政策論議に応じてもらえるよう要望したい。当該秘書とは雇用期間を就任依頼時に昨年臨時国会終了時の12月初旬までということで理解していた。最終的に本年1月まで秘書に満額支給され、当方としては当該秘書から1円たりとも受け取っていない。

 

Q 民意に反し新基地賛成、なぜ/島尻氏 普天間の固定化を回避

 ―県民の圧倒的多数によって示された辺野古新基地建設反対の民意に反してまで、なぜ、基地建設に賛成するのか。

 島尻 普天間基地の固定化は絶対に避けなければならない。さまざまな意見はあると思うが、現状においては辺野古への移設が解決策だと考える。基地機能を縮小して移設することで街の真ん中にある普天間基地が返還される。

 ―建設予定地は軟弱地盤で完成も見通せず、政府による見通しでも完成まで12年かかる。在沖米軍の地理的優位性、抑止力とは何か。

 島尻 辺野古移設は12年かかるが、これから米側と再交渉してまとまる可能性は低く、何年かかるかわからない。普天間の危険性の除去には県の協力も不可欠で、反対だけでは問題は解決しない。尖閣諸島では中国の領海侵入が頻発している。日本と沖縄を取り巻く安全保障環境は厳しい。