興南、隙見せず圧勝V 盛島が4安打7打点 県高校野球秋季大会


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興南―前原 8回2死二塁、適時打を放つ興南の主砲・盛島稜大。この日4安打7打点の活躍を見せた=23日、沖縄市のコザしんきんスタジアム(高辻浩之撮影)

 興南の頼れる主砲がチームの打線をけん引した。1年生選手が実力を付け、スタメン争いが熾烈(しれつ)を極める中、盛島稜大が広角に打ち分け、4安打7打点を稼ぐ活躍を見せた。

 大会を通じて磨かれてきたチームの選球眼は二回の攻撃で発揮される。制球に苦しむ相手投手の変化球を見抜き、「直球に絞って振っていこう」(禰覇盛太郎主将)と確認、徹底した狙いがすぐさま実行された。先頭の盛島が中前打で出塁すると、7番・長嶺龍希の適時打で先制につなげた。

 さらに六回はビッグイニングに。長短打などでつなぎ無死満塁。巡ってきた盛島の4打席目。「甘い球を思い切り振っていく」と気合十分に、重心を後ろに残して球を引きつけ、フルスイングした打球は左中間を破り走者一掃の三塁打となった。「強い打球を意識して、(打席で)徹底できた」と納得の一打に笑みがこぼれた。

 右へ左へと打球を運ぶ巧みなバットコントロールを見せた盛島。我喜屋優監督も「相手の投球をよく見極め、持てる実力を最大限発揮してくれた」と頼れる主砲の活躍をたたえた。

 (上江洲真梨子)


 沖縄市のコザしんきんスタジアムで23日に行われた第71回県高校野球秋季大会の決勝戦は、興南が前原に17―2の完勝で11年ぶりの頂点に立った。興南は5点リードで迎えた六回の攻撃、長短打で一気に畳みかけ打者一巡。10点を奪い勝負を決定づけた。準決勝まで全試合コールド勝ちで進んできた前原だったが、決勝は興南の隙のない守りに阻まれ逸機が目立ち、49年ぶりの優勝に届かなかった。