「ふたご手帖」で妊婦支援 多胎児の発育データやアドバイス 沖縄市が無料配布


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多胎妊婦に「ふたご手帖」の配布を始めた沖縄市こども相談・健康課の高江洲久美母子保健係長(左)と當真未奈子主任主事=9月29日、沖縄市役所

 【沖縄】沖縄市は2021年度から、双子や三つ子などの多胎児出産を控えた妊婦を対象に「ふたご手帖(てちょう)」を無料で配布している。妊婦に配布している親子健康手帳(母子健康手帳)と併せて配布しており、多胎児出産に特有のデータやアドバイスを盛り込んでいる。

 「ふたご手帖」は国内の小児保健の専門家や双子を育てた親らが協力して製作したもので、県外でも一部自治体が配布している。

 沖縄市こども相談・健康課によると、双子などの多胎児出産の場合、赤ちゃんの平均体重などが通常の出産と違うため、健診の記録などでデータを比較しづらいといった困りごとがある。ふたご手帖は、双子胎児の平均体重などのデータが充実しているため、多胎出産に応じた発育の「目安」が分かりやすいなどの利点がある。妊娠中や出産1年後までの育児アドバイスなども掲載している。

 沖縄市内には年間20人ほどの多胎妊婦がいる。一方、「リスクなどについて不安を抱く妊婦もいるが、同じ状況の人が少ないため、相談などもしづらい。ふたご手帖などで情報提供ができれば」(高江洲久美母子保健係長)と配布を始めた。

 相談や情報交換の機会をつくるため、本年度から多胎児妊婦の交流会も実施し、多胎児出産を支援したいとしている。