「対馬丸」テーマに劇や歌で平和発信 生きることの大切さ48人熱演


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「語り継ぐ平和の詩」でそれぞれの役を演じる出演者ら=24日、那覇市泉崎の琉球新報ホール

 子どもの健全育成などを目的に活動する那覇青少年舞台プログラムは24日、対馬丸を通して平和を発信する劇「語り継ぐ平和の詩」を那覇市泉崎の琉球新報ホールで開いた。同団体は10月9日から「おとなこども舞台ワークショップ」と題して、出演者は一般でも公募していた。団体メンバーと一般参加の計48人が演じた。

 劇の上演前に昼の部で対馬丸記念館の高良政勝理事長(81)と、夜の部で遺族の嶋田玲子さん(66)が講演した。高良理事長は対馬丸の撃沈を振り返り「12人いた家族が、3人になってしまった。生き残った兄と姉も先に亡くなった。家庭にも恵まれて寂しくはないが、孫の顔を見た時、ふと亡くなった家族が生きていれば、どれだけにぎやかだったのか考えることがある」と語った。

 劇では詩の群読やダンス、歌を通して、平和と未来に向かって生きることの大切さを伝えた。同プログラムでリーダーの真謝克昭さん(17)は「対馬丸を通して平和について考え、夢に向かって進むことをテーマに演じた。視聴者が明日から生きることを楽しく感じてくれたらうれしい」と話した。

 プロジェクトの奥平祐子会長(56)は「一般の参加者は舞台を楽しみ、共に学んでほしい。演者は語り部ではないが、少しでも語り継ぐことができればうれしい」と話した。