集会、大声、事務所での交流…選挙戦で高まる感染リスク 県医師会「対策徹底を」


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新型コロナ感染症対策で支援者とグータッチであいさつする候補者=19日

 31日投開票の衆院選が盛り上がりを見せるにつれ、選挙戦を通じた新型コロナウイルスの感染拡大が懸念されている。県内選挙では集会に多くの人を集め、支持を訴える手法が一般的だ。過去の選挙でも選対関係者の感染やクラスターが確認されており、医療関係者からも警戒の声が上がる。

 衆院選公示日の19日に開かれた県の新型コロナウイルス感染症対策専門家会議で、県医師会の宮里善次副会長は「(選挙)事務所への酒の持ち込み禁止や、事務所に入る人数を制限するなど(対策を)徹底してほしい」と強く訴えた。

 県内選挙では8月の与那国町長選でクラスターが発生した。1月の宮古島市長選でも選挙関係者の感染が複数確認されるなど、選挙が絡む感染事例が続く。

 今回は衆院選に先行して、宮古島市議選が24日、あった。ある選挙関係者は「地域性の強い選挙は、事務所が交流の場になる傾向がある」と警戒感を示す。

 県関係者は、マスクの着用や事務所内の換気といった基本的な事項のほか、電話作戦などで使う電話機などの共用物の消毒徹底、大声で支援を呼び掛けることが多い選挙カー内での3密回避などの対策の必要性を示す。衆院選の各候補者は遊説の際に、有権者と握手ではなくグータッチをするなど配慮している様子がうかがえた。ある選対の関係者は、事務所の換気や消毒、机に仕切りを設置し、作業に当たる人たちが向き合わないようにするなど「対策を徹底している」と強調した。
 (知念征尚)