「未来を決めて」ボカロ風動画で投票呼びかけ 沖縄県選管、若者にアピール


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 31日投開票の衆院選に向けて、県選挙管理委員会がこれまでとは一風変わった情報発信に力を入れている。若者に人気がある音声合成技術「ボーカロイド」(ボカロ)を模して楽曲動画を制作したほか、ダンス動画を募り、作品に携帯電話の通信容量(1~2ギガ)を贈るコンテストも企画。若い世代への訴求力を高め、投票率向上につなげたい考えだ。(’21衆院選取材班)

県選挙管理委員会が公開した選挙啓発動画(動画投稿サイト「ユーチューブ」より)

 衆院選の県内の投票率は12年56・02%、14年52・36%、17年56・38%と推移している。前回は前々回から上昇したが、長期的にみると下降が続く。世代が低くなるほど投票率は低い。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で対面での啓発活動が制限される中、県選管は今回初めてプロモーション動画を作成し、ユーチューブで公開した。楽曲には若者の支持を集める「ボーカロイド」を意識して、コンピューターで加工した歌声を取り入れた。

 動画では、ボカロ風の歌声がスピード感のある曲調に乗せて「無言のままでは伝わらない」「自分の未来を委ねていいのか 大人たちに」などと問い掛ける。県から委託を受けた広告制作会社の髙良圭一代表は「若い人たちに、未来を自分たちで決めてほしいという思いを込めた」と語った。

 このほか、県選管は衆院選に合わせてダンス動画コンテストも開催中だ。自分で未来を決める思いを表現したダンス動画を募り、再生回数の多かった作品へ賞品として携帯電話の通信容量1~2ギガを用意した。

 一連の取り組みについて、県選管の担当者は「これまでは比較的さわやかで明るく、とげのない啓発だったが、今回は若者を意識し、刺激もあった方がいいという意見を踏まえた。投票率の向上につなげられたら」と話した。

 県選管の動画はhttps://www.youtube.com/watch?v=Ut_WQBM2Tng