軽石の早急な撤去、漁業者への支援を 漁業団体が沖縄県に要請


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崎原盛光農林水産部長(右から2人目)に要請書を手渡す上原亀一会長(同3人目)ら漁業団体関係者=27日、県庁

 小笠原諸島の海底火山噴火の影響とみられる大量の軽石が県内沿岸部に漂着している問題を巡り、県漁業協同組合連合会(上原亀一会長)と県漁業協同組合長会(山入端孝雄会長)は27日、県庁に崎原盛光農林水産部長を訪ね、漁業への影響調査と早急な撤去作業の実施のほか、関係省庁に対し休漁補償などの支援を要請するよう求めた。

 要請書では、軽石が混じった海水を吸い上げた船舶のエンジントラブルや機器類の不具合が相次いでいるほか、海上のいけすに軽石が流れ込み、養殖魚が誤食し大量死する被害が起きていると説明。「今後の生産や流通など県内水産業に多大な影響を与える可能性がある」と窮状を訴えた。

 上原会長は、撤去作業や漁業者への補償については県が既に対応を検討していることに感謝した。ただ、被害が長期化する恐れがあるとして「いつまで操業を断念しなければならないのか、不安は尽きない。県には漂着状況の確認と予測を調べ公表してもらいたい」と強く要望した。

 崎原部長は、県庁内に部局横断型の緊急対策チームを発足したと説明し「漁港内の軽石除去や漁業者への各種支援など頑張って対応したい。関係省庁にも要請していく」と応じた。

 県水産課によると、軽石により出漁できない漁船は、25日時点で756隻に上る。県内全域の漁船は3022隻で、約25%が休漁を強いられている。