国への依存ではなく「自立」問われる 沖縄国会爆竹事件の当事者が講演


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本土における沖縄青年運動を振り返る本村紀夫さん=24日、宜野湾市内

 東京に住む県出身の若者3人が「日本復帰拒否」を訴え、1971年に国会で爆竹を鳴らした「沖縄国会爆竹事件」から19日で50年となったのを受け、当事者の1人である本村紀夫さん(73)が24日、宜野湾市で講演した。多くの沖縄の人たちが日本復帰に託した「基地のない平和で豊かな沖縄」が、復帰50年を前にした今も実現していないことを問題視。今、沖縄に問われているのは「日本の政府、政党党派に依存するのではなく、沖縄人が自立し、未来を創造する自己決定権の決意だ」と訴えた。

 講演は命どぅ宝! 琉球の自己決定権の会が主催。本村さんは、長年問題視される日米地位協定が見直されないなど「沖縄人の人権が無視される現状は変わらない」と述べ、日本復帰の在り方を批判した。

 沖縄青年運動の中でたびたび本土のセクト・党派が入り込むなどして組織が分裂してきた歴史を振り返り、沖縄で「自立する組織」の必要性も訴えた。

 一方、当時放送された街頭インタビューの様子も上映された。サンフランシスコ講和条約が発効して沖縄が日本から切り離された4月28日の意味を「知らない」と答える人が多い様子に、来場者からは「今と変わらない」との声が上がった。