部活動の体罰根絶へ改訂版素案 あり方検討委、顧問会の設置を新たに明記


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 運動部主将を務めるコザ高校2年(当時)の男子生徒が部活動の顧問から執拗(しつよう)な叱責(しっせき)を受け、自ら命を絶った問題で、県教育委員会が見直しを進める「部活動等の在り方に関する方針」の改定版素案が27日までに判明した。PTA関係者や部活動指導員による「地域部活動指導者連絡会(仮称)」や、校内に「部活動顧問会(仮称)」を設置することなどを新たに明記した。

 同方針の改定を話し合う第4回検討委員会(宮城政也委員長)が26日開かれ、方針の改定版と「部活動における体罰・ハラスメントの根絶に向けた取り組み(仮称)」の素案を固めた。体罰・ハラスメント根絶に向けて取り組みの素案には保護者会の設置を検討することや、チェックシートを活用した指導の改善に取り組むことが明記された。

 また、管理職の異動に伴う引き継ぎで、体罰やハラスメントをした指導者の情報を引き継ぐことや、年1回の研修の受講義務、部員との連絡体制の在り方なども盛り込んだ。

 県教委は各校の部活動の在り方を部員らが考える「本校の部活動ビジョン(仮称)」を立ち上げ、部活や学校単位で部活動ビジョンを決める。各学校のビジョンと共に県教委のビジョンも策定し、発表する方向で検討を進めている。

 県教委は委員の意見を集約して文言を調整し、12月の教育委員会会議で策定する予定。運用開始は2022年4月を目指す。