琉球病院の地下水からPFAS検出 国指針値の2.34倍 飲料水に使用、取水を停止


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 【金武】琉球病院(沖縄県金武町)は27日、院内の専用水道水と地下水から、国の暫定指針値(PFOS・PFOAの合計値が1リットル当たり50ナノグラム)を超える有機フッ素化合物のPFAS(ピーファス)を検出したと発表した。地下水は指針値の2.34倍の117ナノグラム、水道水は1.56倍の78ナノグラムだった。専用水道水は敷地内の井戸から地下水を取水して浄化し、町の水道水と混合して使っていた。指針値超えを把握した今月8日に地下水の取水を停止した。

 同病院によると少なくとも4年前から、地下水と町の水道水を混合して使用していた。9月17日に病院近くの排水路からのPFAS検出が報道されたことを受けて、同27日に独自に地下水と水道水を採取し検査した。取水停止後は、町の水道水からの全量供給に切り替えている。

 専用水道水は入院患者250~260人のお茶や薬の服用、職員約300人の飲み水にも使用していた。これまでに健康被害の報告はない。病院は、27日に職員に対して口頭で検査結果を周知した。患者や家族には今後周知する。血液検査についても検討する。PFASの発生源については「不明」としている。

 町が昨年実施した河川調査では、米軍キャンプ・ハンセンから同病院のそばを通り海に流れる排水路の3カ所から指針値の1.28~3.3倍のPFASを検出した。町は「基地内が発生源の可能性が高い」としている。