義務教育「学び直し」支援 来年度、石川高と嘉手納高にコース


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 県教育委員会は2022年度から中退者を減らすために県立嘉手納高校に「キャリアアップコース(仮称)」、石川高校に2年生からの「基礎系統」コースを新たに設け、義務教育段階の学び直しを図る。22年度の入学者が対象となる。県教委は中退する生徒の多くが基礎学力に問題を抱えていることを受け、中途退学者を減らそうと「多様な学びの在り方」を検討している。石川と嘉手納をモデル校に指定し、教育課程や入学者の選抜方法などについて研究する。

 県教委は28日に県教育庁で開かれた第2回県立高校編成整備に関する懇話会で、新たなコース設置を含む次期編成整備計画の素案を示した。

 文科省が実施した2020年度「児童生徒の問題行動・不登校等生徒指導上の諸課題に関する調査」によると、県内の中途退学者数は県立と私立含めて1097人だった。

 嘉手納高校は総合学科にキャリアアップコースを新設し、入試を実施する。募集人員は15人程度。石川高校は普通科として入試を行い、2年進級時に「進学系統」か「基礎系統」を選択する。同校の普通科入学定員は160人。県教育庁学校教育課によると嘉手納、石川高とも普通科の中に、国語や数学などの基礎を習得する体制をつくる。

 素案ではそのほか、泊高校に単位制の全日制課程を設置すること、那覇地区の定時制課程を再編し那覇商業の定時制課程を廃止し、泊に統合することなどが示された。那覇商業の定時制廃止について、県教委は「泊にも簿記などの商業科目がある。統合後は商業科目の充実を図っていく」とした。

 今後、実施計画に関するパブリックコメントを実施し、22年3月の教育委員会会議で策定予定。