「ようやく経済が回る」 飲食店は期待の声、人手不足も 時短営業終了へ


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店内の飲食を中止している「沖縄んDININGちゅらか~ぎ~」。11月から、延期になっていたカラオケバーをオープンする=28日、那覇市久茂地

 玉城デニー知事は28日、飲食店に営業時間の短縮を要請していた新型コロナウイルス対策の県独自措置を、10月末で終了すると正式に発表した。4月以降続いていた営業時間の規制終了に、飲食店は11月以降の売り上げ増加を期待する。一方、休業や時短営業が長期化し、アルバイトや社員の離職によって人手の確保が追いつかない飲食店も多い。

 那覇市久茂地の居酒屋「沖縄んDININGちゅらか~ぎ~」は当初、4月に居酒屋とカラオケバーの2部制にして営業する予定だったが、緊急事態宣言が長期化したことで計画はずれ込んできた。

 11月以降は午後11時からカラオケバーを開業する予定で、カラオケ管理人の根間大知さんは「ようやくオープンできる」と笑顔を見せる。

 緊急事態宣言が明けた10月に居酒屋の営業を再開したが、感染拡大防止の観点から店内での飲食はせず、店の外で焼き鳥の販売などをしている。根間さんは「まだ人通りも少ないので、すぐには回復しないとは思うが、11月からに期待している」と話した。

 酒や食材の卸業者も、需要回復を待ちわびている。那覇市松山地区の飲食店などに酒を卸している酒販店には注文が増加しているといい、店員は「夜営業する店がしっかり開けば、売り上げもだいぶ変わってくる」と話す。

 県は11月以降も会食は4人以下、2時間以内とするよう呼び掛けていることもあり、「会社の飲み会はすぐには難しいかもしれない。(多くの人が)2次会まで行ってようやく経済が回る。県はメッセージの出し方を少し工夫してほしい」と話した。

 鉄板焼きのキャプテンズインは11月から、国際通り店と美浜店の2店舗で営業時間を午後10時までに延ばす。担当者は「10月半ば以降は観光客の利用も増え、平日の予約も増えている」と、先行きに明るさを感じている。

 客足回復に備える一方で、従業員は不足気味だ。「高校生のアルバイトが進学や就職で退職し、人が足りない。募集はしているが、なかなか来ない」と話した。