【一問一答】燃料費高騰に「市場連動しない形を」 沖縄電力・本永社長


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中間決算について話す沖縄電力の本永浩之社長=29日、那覇市のおきでん那覇ビル

 沖縄電力は29日、2022年3月期の連結中間決算(21年4~9月、対象子会社12社)を発表した。世界的な原油、石炭価格の高騰によって燃料費が大幅に増加し、経常利益は前年同期比52.7%減の50億7400万円、純利益は同53.4%減の38億4700万円で、中間期として3期ぶりの減益となった。本永浩之社長は、燃料価格の上昇基調は当面続くと見通した上で「今年1年で電気料金は約17.5%上昇した。燃料調達の多様化、効率化などの工夫をして、なるべく電気料金に反映されないようにする」と話した。

 沖縄電力本永浩之社長の一問一答は以下の通り。

 ―燃料価格高騰が電気料金に与える影響について。

 「燃料価格が上昇し、電気料金に与える影響を危惧している。種類や調達先を多様化し、リスクを分散していくことが大事だ。原油、石炭、LNG全てで上昇傾向にあり、抑えるのはなかなか難しいが、先に契約して固定しておくなどいろいろな契約の方法がある。工夫して、市場と連動しない形をとっていきたい。LNGは長期契約で、スポット市場とは違う価格で取引できている」

 ―再エネが主力化すると、燃料費調整制度の影響は少なくなるのか。

 「再エネが大きくなると、燃料価格の影響を受ける割合は少なくなる。ただ、再エネは固定価格買取制度の下で増えている状況がある。再エネが増えると再エネ賦課金の負担が大きくなることも考えられる」

 ―沖電から新電力への契約切り替えはどの程度か。

 「スイッチングでみると10%強、他の事業者に移行している。家庭用は予想以上に早い。いろいろなメニューを提案して選んでもらえるようにしたい」

 ―石炭火力への風当たりが強まっている。

 「沖縄では、石炭火力は安定供給上欠かすことのできない電源だ。非効率だからと石炭をなくせば、安定供給に支障が出る。一方で環境への取り組みも強化しなければいけない。2030年に向けて石炭の比率を減らし、同時に再エネ主力化も進め、水素やアンモニアによる火力発電にもチャレンジしていく」