声からし支持訴え コロナ下の超短期決戦締めくくる きょう衆院選投開票


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 新型コロナウイルスの影響下で沖縄県内初の国政選挙となる衆院選は30日、4選挙区の各候補が最後の最後まで訴えに声をからし、12日間の選挙戦を締めくくった。マスクを着用したままのマイク演説や、街頭でのグータッチは選挙風景としてすっかり溶け込んだ。「投票箱が閉まるまで頑張ろう」―。超短期決戦となった選挙の審判は31日、下される。

候補者の演説に拍手を送る支持者ら=30日午後5時ごろ、沖縄本島内

 4選挙区の候補は30日夕、各地で一斉に最後の打ち上げ式に臨んだ。

 本島中部の交差点には候補者ののぼり旗が多く掲げられ、シンボルカラー一色に染まった。西日が差す中を候補者が声をからし、身ぶり手ぶりを交えて政策を訴える。演説の様子をじっと見詰めていた知念正勝さん(77)=うるま市=は「沖縄は平均所得が低く、子どもの貧困問題も深刻だ。それががらっと変わる選挙になってほしい」と期待を込めた。

 県内では名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力の候補と、政権与党の自民公認候補のどちらが多くの議席を確保するかが注目されている。

 ある自民候補の打ち上げ式。最後の訴えを最前列で聞いていた南風原町の女性(73)は「少ない年金で、県営団地の家賃が上がり生活は厳しい。若者にも仕事がなく、もっと暮らしやすくなるよう沖縄振興に期待している」と望んだ。

 一方、ツイッターで情報を得てオール沖縄の候補の打ち上げ式に駆け付けた西原町の男性(29)は「辺野古問題を重視して投票する。国政野党が議席を増やし、まっとうな答弁ができる政治に戻してほしい」と話した。

 前回56・38%だった県内投票率の動向も焦点だ。本島中部での熱気のこもった打ち上げ式の終了直後、近くを通りかかった10代女性=宮古島市出身=に声を掛けると「明日(31日)は用事があるので、投票に行く予定はない」と淡々と答えた。