9月県内景気「後退」 りゅうぎん総研 9カ月据え置き


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 りゅうぎん総合研究所(伊東和美社長)は29日、9月の県内景気動向を発表した。新型コロナウイルスの影響で観光関連が悪化し、消費関連も弱含み、建設関連は一部の資材価格の上昇などで弱含んでいると分析。県内景気は「後退している」とし、9カ月連続で判断を据え置いた。伊東社長は「緊急事態宣言解除で人流が活発になり、明るい兆しが見えつつある」と話した。

 【消費】中古自動車販売台数は前年同月比7・4%増と2カ月連続で前年を超えた。半導体不足による新車減産などで需要が高まり、コロナ禍前の2019年比でも2・8%の増加となっている。電気製品卸売販売額は同17・5%減と4カ月連続で減少した。

 【建設】公共工事請負金額は、前年同月比64・3%増だった。離島での防衛関連工事の影響で国発注が同4・3倍増と押し上げた。資材は、需給逼迫(ひっぱく)の影響で鋼材売上高が同13・8%増で2年ぶりに前年を上回り、木材も同16・4%増だった。建設受注額は公共、民間ともに増加し同2・3倍増となったが、資材高騰を不安視する声がある。

 【観光】入域観光客数は前年同月比10・0減で2カ月連続で前年を下回った。主要ゴルフ場入場者数は同14・6%増と2カ月連続で前年を上回った。県内を対象にした集客が好調で、コロナ禍前との比較でも18・3%増となっている。