【記者解説】衆院選沖縄2区 新垣氏の勝因、宮崎氏の敗因は?


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当選の喜びと決意を語る新垣邦男氏=31日午後11時34分ごろ、宜野湾市長田の選対本部

 沖縄2区は社民新人の新垣邦男氏が、事実上の一騎打ちとなった自民前職の宮崎政久氏らを抑えて初当選を果たした。前職の照屋寛徳氏の後継として、名護市辺野古の新基地建設に反対する「オール沖縄」勢力の支持層を固め、無党派層からも支持を集めた。宮崎氏は自民・公明支持層以外への広がりを欠いた。

 新垣氏は、盤石な支持を誇った照屋氏の後継であることを前面にする選挙運動を展開し、知名度不足の課題を克服した。北中城村長を4期16年務めた実績を強調しながら、今選挙戦で政権批判の訴えも奏功した。革新地盤の中頭郡区を中心に支持を広げ、満遍なく票を積み上げた。

 宮崎氏は、法務政務官など政権与党内での実績を強調したほか、飼い猫をポスターに使うなど新たな支持層の取り込みも図った。大票田の宜野湾と浦添の両市長が選対本部長に就いて都市部の集票を図ったが、及ばなかった。世論調査で2区は新基地建設に反対する有権者の割合が高く、県内移設容認の立場に理解を得る難しさもあった。

 維新新人の山川泰博氏は公示直前の出馬表明など出遅れ、支持の広がりを欠いた。
 (明真南斗)


照屋氏引き継ぎ安堵 新垣氏

 照屋寛徳先生が6期18年守ってきた議席は大事だ。当初は心配だった。新人で大変厳しい選挙戦だと覚悟していたが、皆さんの大きな支援で勝利することができ、心から感謝している。

 どうしても守らないといけない議席だった。自民・公明に渡せば沖縄の問題は終わってしまう。守り通してほっとしている。照屋先生が国政で残してきた足跡を引き継いでいきたい。

 普天間飛行場や嘉手納基地を抱える2区で勝利したことに大きな意義がある。駄目なものは駄目、嫌なものは嫌だと国政で訴えていきたい。

私の力不足だ

 宮崎政久氏の話 全ては私の力不足だ。皆さまには大きなお力を頂いたが、このような結果となり心からおわび申し上げる。有権者の下に訴えは届いていたと思う。ただ選挙であり有権者の判断が全てだ。小選挙区で勝ち上がりたいという気持ちで準備してきた。