【当選7氏座談会】玉城県政、岸田政権への評価は?今後の選挙どうする?<衆院選2021>


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「超短期決戦」となった衆院選を終え、国会での活躍を誓う7人=1日午前、那覇市泉崎の琉球新報社

 琉球新報社が1日に開いた衆院選当選者座談会には、沖縄4選挙区と比例代表九州ブロックの当選者7人が出席した。新型コロナウイルスの影響からの経済立て直しや、日本復帰50年を迎える2022年度以降の沖縄振興、米軍基地問題の解決といった課題への意気込みを語ったほか、改憲や知事選を控える来年の各選挙への展望など、多岐にわたるテーマについて意見を出し合った。
 (敬称略、’21衆院選取材班)


■県政、政権への評価

知事へ県民信頼厚い 赤嶺氏
知事の統率力見えず 島尻氏
岸田氏は沖縄を熟知 宮崎氏
県政は豚熱でも後手 金城氏

 ―岸田政権、玉城県政についての評価を聞かせてほしい。

 赤嶺 オール沖縄候補として勝利の背景に、自公政権による県民への強権的な姿勢に対して強い抵抗感があったと思う。野党共闘すれば、必ず政権交代に向かって前進できる。玉城県政に県民の信頼は厚い。力を合わせて、国政から応援していきたい。

 新垣 照屋寛徳氏の後継として、2区の議席をしっかり守り抜くことを訴えた。岸田内閣については発足してすぐの総選挙となったので評価のしようがない。玉城県政についてはコロナ対策、首里城の火災、豚熱などの困難に丁寧に対応し、公約実現のために頑張っている。

 島尻 沖縄3区で与党が議席を確保するのは、インパクトが大きい。岸田首相は沖縄担当相経験者で沖縄のことを知り尽くしている。新たな振興法の着手に向けて岸田政権への期待は大きい。玉城知事はコロナ、次期振計策定でリーダーシップが見えない。

 西銘 公務もあり、地元に入る期間が少なかったが(前任期中)一生懸命地道にやってきた。閣僚の一人として岸田内閣を評価しにくいが、内閣への支持は6割だ。一方、玉城知事は(県内の)ワクチン接種率が全国最下位だ。もっとリーダーシップを発揮してほしい。

 宮崎 比例で復活でき、応援していただいた方に恩返しする機会をいただいた。岸田首相は、沖縄のことを熟知し、復帰50年に当たって県民に非常に大きな意義がある。玉城県政の評価だが、決断力、実行力が弱い部分があり、コロナ対策を後手に回した。

 国場 岸田首相は沖縄担当相を経験した最初の総理大臣となった。経済政策の最大目標を所得向上に焦点を当てている。沖縄の政策と所得向上を連動させることは大切だ。玉城県政の評価は、県民の命と健康を守るという意味では、優先順位が間違っている。

 金城 自公協力をますます発揮して、沖縄のために貢献していきたい。岸田政権で西銘氏が沖縄担当相になったことも、岸田首相として、沖縄への思いが強い証左だ。玉城県政は首里城の焼失、豚熱の対応も後手後手に回った。まったく評価できない。


■今後の選挙

オール沖縄姿勢堅持 新垣氏
自民の大きな弾みに 西銘氏
問題解決を県民要望 国場氏

 ―来年の名護市長選、知事選など重要選挙への影響は。

 西銘 参院比例の比嘉奈津美先生(自民)が繰り上げ当選したことも含め、大きな弾みになるのではないか。復帰50年の節目で沖縄の将来の方向性を議論しながら、沖振法の課題もある。今回の結果は弾みを付けたと認識している。

 宮崎 コロナの拡大で県民の命と暮らしに大きな影響があり、政治が生活に根差していないと役割を果たさないことになると教えられた。イデオロギーでなく現実的な政治をやるという意味で、今回の結果は非常に弾みになる。

 国場 沖縄の政治は保守と革新の大きなサイクルでなく、問題提起と問題解決の役割分担だと思っている。今の課題はコロナと所得向上、次の振興計画にある。問題解決型の政治を県民が求めている一つの表れが今回の総選挙の姿だ。

 金城 選挙区では3、4区を勝てたことが大きな前進だ。来年は名護、南城の市長選、県知事選と選挙イヤーだ。ここでいただいた、前回よりも増えた自公の結果を弾みにして、全ての選挙に勝利を目指して闘っていきたい。

 赤嶺 コロナ感染症を爆発的に拡大し、医療崩壊を起こした政府の無為無策をきちんと見ないといけない。来年は名護、参院選、知事選と天王山の戦いがあるので、県民、住民の民意が反映できる政治の実現を目指して頑張りたい。

 新垣 オール沖縄の皆さんに支えられて社民党公認で当選した。その姿勢は堅持していく。来年はさまざま選挙が知事選に向けてある。それぞれの地域事情もあり、各政党とも、連携できるところは連携できると思っている。

 島尻 政治は一人ではやっていけない。3区では名護市長選が控える。知事選に向けてどの候補、そしてその候補を推しているのはどの政党なのかも含め、政策の実行能力を見ていただきながら、選択をお願いしたい。


<当選者座談会出席者>

 【沖縄選挙区】
◇1区・赤嶺政賢氏(73)=共産前職
◇2区・新垣邦男氏(65)=社民新人
◇3区・島尻安伊子氏(56)=自民新人
◇4区・西銘恒三郎氏(67)=自民前職

 【比例代表九州】
◇国場幸之助氏(48)=自民前職
◇宮崎政久氏(56)=自民前職
◇金城泰邦氏(52)=公明新人