「極めて健全なサンゴ礁」埋め立て可能性の浦添市西海岸 日本自然保護協会が調査


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たくさんの生きたサンゴが広がる海=1日、浦添市西海岸(日本自然保護協会提供)

 日本自然保護協会は1日、米軍那覇港湾施設(那覇軍港)の浦添市移設で埋め立てられる可能性が高い浦添市西海岸に潜水し、生物層を調べるリーフチェックを実施した。生きたサンゴが海底を覆う面積の割合(被度)は65%に達し「極めて健全なサンゴ礁が残っている」と評価した。

 サンエー浦添西海岸パルコシティの沖合400メートルほどのイノー(礁湖)で、幅5メートル、長さ80メートルの範囲で6人の調査員が潜水し、調査対象種の種類や数を調べた。ミドリイシ、ハマサンゴ、キクメイシ、ソフトコーラルなどのサンゴのほかシャコガイ、何種類ものチョウチョウウオも確認された。調査した同協会の安部真理子主任は「生物の種類も数も多い。稚魚も多く次世代を育む『ゆりかご』として機能している」と話した。

 県内のサンゴの被度は、石垣島と西表島の間にある国内最大のサンゴ礁「石西礁湖」では過去の大規模白化からの回復が遅く11.5%(20年、環境省)、名護市の大浦湾はサンゴの種類によって23.8%~58.7%(10月、日本自然保護協会)。安部さんは「市街地のそばでこんなに上等なサンゴ礁が残っている。沖縄県はSDGsを進めるなら、この海を残すべきだ」と力を込めた。