軽石漂着で1089隻が出漁自粛 沖縄県内の漁船3割超 政府は撤去費用一部補助へ


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軽石が撤去され、航路が確保された久高島の徳仁港=月2日、南城市知念久高(小型無人機で撮影、テクノ・スクエア提供)

 小笠原諸島の海底火山噴火の影響とみられる大量の軽石が沖縄県内各地に漂着・漂流している問題について、県が10月27日に実施した漁業への影響調査で、県内全域の漁船合計3022隻のうち36%に当たる1089隻が出漁を自粛していることが分かった。25日に自粛を確認した756隻から大幅に増えた。国土交通省は2日、各地の港湾に漂着した軽石を撤去する自治体に対し費用の一部補助を発表し、被害復旧へ支援に乗り出した。

 斉藤鉄夫国交相は2日の会見で「効率的で迅速な除去ができるよう、専門家の意見も聞きながら対応を進める」と述べた。

 10月27日の県の調査では、漁船75隻が軽石によるエンジントラブルの被害を受けていることも判明。漁業全体の経済的損失は現時点では分かっていない。

 出漁自粛が増えている背景について、県の担当者は「エンジントラブルが起きるという情報が流れ、予防的措置を取る漁師も増えている。ただ、被害は今後さらに拡大する可能性がある」と指摘した。県漁業協同組合連合会(県漁連)の関係者によると、時短営業要請など県の独自措置が全面解除されたことなどから、魚の取引価格が一部高騰する状況も出ている。