JTA減収、赤字35億円 費用減で赤字幅を圧縮 22年3月期中間


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日本トランスオーシャン航空(資料写真)

 日本トランスオーシャン航空(JTA、青木紀将社長)は2日、2022年3月期の中間決算(21年4~9月)を発表した。新型コロナ感染症拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置によって移動が制約されたことが影響し、売上高は前年同期比1・3%減の77億円となった。経常損益は50億円の赤字、純損益は35億円の赤字となり、2年連続で損失を計上した。費用の削減により、前年同期に比べ、経常損益で12億円、純損益で8億円の赤字を圧縮した。

 旅客収入は前年同期比1・3%減の58億円で、計画した1万2932便から31・8%に当たる4117便を減らしたが、提供座席数は同15・0%増の142万5千席、旅客数は同4・7%増の49万3千人と前年を上回った。一方、相対的に単価の高い県外路線で旅客数の減少幅が大きかった。緊急事態宣言の長期化で通常料金の予約にキャンセルが多く生じたことも影響し、単価は低下した。

 営業費用は前年同期比8・1%減の129億円。減便で燃油費などの変動費を9億円削減し、従業員への賞与見直しなどで固定費も2億円カットした。航空機燃料税や空港の着陸料などの減免効果もあった。

 青木社長は、コロナ感染拡大以前となる19年度の旅客収入と比較して、「22年1~3月が80%以上に回復すれば、下半期は事業を健全化できる」と強調した。