公明が過去最多の12万9467票 比例代表、沖縄県内政党別得票を分析<衆院選2021>


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 10月31日投開票の第49回衆院選で、県内4選挙区は玉城県政を支える「オール沖縄」勢力の2勝、自民の2勝となった。自民が小選挙区で複数議席を獲得するのは2012年以来で、得票数も全県で伸ばし、躍進した形となった。比例代表は自民とセット戦術を展開した公明党が県内で過去最多となる13万票近くを獲得。確定した投票結果と、共同通信社が実施した投開票日の出口調査の結果を照らし合わせたところ、政権与党の自公、野党が支援したオール沖縄の、それぞれの得票傾向が浮かび上がってきた。 (文中敬称略)
 (’21衆院選取材班)

 県内の比例代表の政党別得票数は、自民党が最多の14万7517票を集め、全体の23.77%を占めた。これに公明党の12万9467票が続いた。公明の得票率は20.86%で、国政野党第一党の立憲民主党の20.16%を上回った。

 小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以降、自民の県内での得票率は2005年まで30%前後で推移していたが、国政で政権交代を許した09年に20%を割った。17年は22.42%、今回は23.77%で推移し、1区の国場幸之助と2区の宮崎政久は比例復活で議席を得た。

 公明は県内の得票数と得票率がともに最多を記録した。これまで公明は2009年の12万95票が最多だった。今衆院選は九州ブロックに金城泰邦を擁立し、白保台一以来16年ぶりの県出身の国会議員誕生を目指した。県内で「選挙区自民、比例は公明」の協力体制を徹底し、得票数を押し上げたとみられる。

 立民の比例得票率も17年の15.11%から5.05ポイント上昇した。県内の社民党勢力の一部が合流した影響などがあったとみられるが、県内で擁立した3区の屋良朝博、4区の金城徹は選挙区、比例ともに落選した。

 共産党は1区で赤嶺政賢が選挙区の議席を守ったが、比例の得票率は前回比2.38ポイント減の9.69%にとどまった。社民党も2区で新垣邦男が初当選したが、比例の得票率は同2.62ポイント減の8.65%だった。

 日本維新の会も2区に公認候補を立てたが、比例得票率は前回より1.29ポイント下がって6.0%だった。れいわ新選組が5.87%、国民民主党が3.15%、NHK党1.86%と続いた。