軽石漂着で港湾、観光への支援を要請 玉城知事が国交相らと面会


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社
務台俊介環境副大臣(右)に要請書を手渡す玉城デニー知事=2日、東京

 【東京】小笠原諸島の海底火山噴火の影響とみられる軽石の漂着による被害が県内の海岸や港湾で相次いでいる問題で、玉城デニー知事は2日、上京し、務台俊介環境副大臣、斉藤鉄夫国交相ら関係閣僚に被害復旧への支援を求めた。務台氏は「一種の災害だ」との認識を示し、海岸に漂着した軽石の撤去に補正予算も含めた予算措置する方針を明らかにした。斉藤氏も、防災した防波堤や岸壁の復旧事業への補助制度を活用するとした。

 玉城知事は務台、斉藤両氏のほか西銘恒三郎沖縄担当相ら関係閣僚に相次ぎ面会し、漁港や港湾の復旧事業への財政支援や、打撃を受けた観光事業への支援策の策定など9項目を求める要請書を提出した。玉城知事は「災害として対応する必要があるとの認識を共有できた」とし、内閣府や水産庁からも支援に前向きな回答を得たという。

 玉城知事との面会で務台氏は「各省と協力し、各省で対応できないことは環境省の予算でしっかりやりたい。予算が足りなければ補正予算に組み入れて沖縄県が困らないよう対応していきたい」と述べた。現地調査のために沖縄を訪問する意向も示した。

 環境省によると、海岸の保全を目的とする「海岸漂着物等地域対策推進事業」を活用する。県が実施した海岸での軽石撤去や海岸清掃にかかった費用について、県の申請を受けて補助金を下ろすとしている。

 玉城知事は、軽石の被害回復にかかる費用について「額にはこれから細部を詰めていきたい」とし、現場の状況把握と予算規模の把握を急ぐ考えを示した。

 斉藤氏は記者会見で「効率的で迅速な除去ができるよう、専門家の意見も聞きながら対応を進める」とした。玉城知事によると、海洋環境整備船の活用も検討しているという。