沖縄の建設業完工高、過去最高の総額5796億円 2020年度、コロナ以前の受注反映


この記事を書いた人 Avatar photo 琉球新報社

 東京商工リサーチ沖縄支店は2日、県内建設業の2020年度完成工事高ランキング(年間10億円以上、20年4月~21年3月期)を発表した。ランク入り企業は前年度比7.3%増の234社、完工高総額は同0.9%増の5796億9500万円となり、社数、総額ともに過去最高を更新した。新型コロナウイルス感染症の影響で民間投資に減少傾向が表れたが、コロナ禍以前に受注した手持ち工事が多かったことから増加基調を維持した。

 21年度については、コロナ禍の長期化で観光需要などが停滞し、ホテルを中心に受注後も着工に至らないケースが増加している。投資意欲の後退に加え、アパート建築に対する金融機関の融資が厳しくなっていることや、土地.建築単価の高騰など、住宅着工も弱い動きになっている。東京商工リサーチ沖縄支店の担当者は「民間工事が減少し、公共工事も受注価格の競争が激化している。21年度は完工高が減収に転じる可能性もある」と話した。

 上位10社の完工高合計は同5.0%減の1552億4300万円で、総額に占める割合は26.8%と前年度から1.6ポイント低下した。トップは、集計を開始した1985年から36年連続で国場組だった。名城ビーチのホテル新築や航空自衛隊の滑走路工事などを手掛けたが、前年度に恩納村で大型工事があった反動で、同29.9%減の243億3400万円だった。

 2位は14年連続で沖電工で、沖縄電力の本館や変電所建築、電線の一部地中化などで前年度比2.3%増の212億2300万円。3位は大米建設で、宮古島市総合庁舎建築や平良港の航路浚渫(しゅんせつ)などを手掛け、同1.3%増の195億1400万円だった。10位の東江建設はマンション建設などで1998年度以来22年ぶりのベスト10入りを果たした。

 ランク入りした234社のうち、増収が141社、減収は93社だった。完工高が10億円を下回りランク落ちしたのは36社だった。

クリックで拡大<2020年度 沖縄県建設業完成工事高ランキング(10億円以上)>
クリックで拡大<2020年度 沖縄県建設業完成工事高ランキング(10億円以上)>